Photoshopで立体文字を簡単に作る方法

※ Adobe Photoshop 2025の画像で解説しています。

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立体的な文字を作るのに、Photoshopなら2分とかからないでしょう。初心者でも簡単な操作で立体文字を作ることができます。

今回は、Photoshopで立体的な文字を作る方法をご紹介します。レイヤースタイルの「ベベルとエンボス」や「ドロップシャドウ」で文字を立体的にする設定、3D風の立体文字を作る方法を、初心者向けに詳しく解説します。

文字を立体的にするスタイルの設定を開く

立体的な文字を作る簡単な方法はレイヤースタイルを適用することです。Photoshopで文字を入力して、レイヤースタイルを開く手順は以下の通りです。

  1. 新規ファイルを作成(Ctrl+N)します。
  2. 「文字ツール」でテキストを入力します。
  3. レイヤーパネルの「レイヤースタイルを追加」アイコンをクリック、メニューから「レイヤー効果」をクリックします。
  4. 「レイヤースタイル」の設定画面が開きます。
Photoshopで立体文字を簡単に作る方法1
この例では新規ファイルを「ファイルサイズ:幅・高さとも1000px、解像度350pixel/inch、カラーモード:RGB、カンバスカラー:白」で作成、文字のフォントはAdobe Fontsの「小塚ゴシックPr6N H」、フォントサイズ:72pt、文字色:ライトブルーで入力しています。

文字に立体的に見える影を付ける方法

Photoshopで立体文字を簡単に作る方法2
「ドロップシャドウ」だけで作成した立体文字

「ドロップシャドウ」で文字に影をつけるだけでも、3Dのような立体感を出すことは可能です。「レイヤースタイル」の左サイドメニューから「ドロップシャドウ」を選択し、影の「構造」を以下のように設定します。

描画モード 乗算 影を付ける設定ならば、通常は「乗算」にします。
サムネイル 暗色 影の色のサムネイルをクリックして、カラーピッカーで文字色と同系色の暗い色を指定します。
不透明度 100% 3D風に立体文字の側面を作るために、透過を無しにします。
角度 120° 右下斜めの方向に立体化させます。
距離 15px 文字と影の距離をpxで指定します。
スプレッド 100% 立体文字の側面を作るために影にぼかしを付けず、輪郭を鮮明にします。
サイズ 15px 影が広がるサイズです。立体文字を作る場合は文字の厚みサイズになります。

「画質」の設定は「輪郭(線形)」「ノイズ(0%)」ともデフォルトのままです。「アンチエイリアス」にはチェックを入れてエッジを滑らかに設定するときれいです。

Photoshopで立体文字を簡単に作る方法3
「ドロップシャドウ」による立体文字の作成完了です。

文字を立体的に加工するベベルとエンボス効果

「ベベルとエンボス」は、オブジェクトを立体的に加工するレイヤー効果です。「レイヤースタイル」の左サイドメニューから「ベベルとエンボス」を選択します。設定は以下のようになっています。

【構造】
スタイル 立体文字の形状をベベル(外側)・ベベル(内側)・エンボス・ピローエンボス・エンボスの境界線を描くの5種類から選択。
テクニック 立体の描き方を滑らかに(立体の角が丸みを帯び、滑らかになる)・ジゼルハード(立体の角が鋭く直線的になる)・ジゼルソフト(立体の側面が粗くギザギザになる)の3種類から選択。
Photoshopで立体文字を簡単に作る方法4
深さ 立体の奥行きを0%~1000%の間で指定。3Dの回転のような変形はできないので数値を上げると側面の影が濃くなる。
方向 「上へ」は押し出し加工、「下へ」は凹ませ加工。
サイズ 立体の適用範囲を0px~250pxの間で指定。
ソフト 立体のエッジを滑らかにする適用度を0px~16pxの間で指定。
【陰影】
角度・高度 陰影の方向を角度で指定し、視点の高さを高度で指定。「包括光源を使用」にチェックを入れると全てのスタイルで光源が同期される。
光沢輪郭 光沢のある質感を表現する輪郭の種類を設定。線形・円錐・円錐-反転・くぼみ-深く・くぼみ-浅く・ガウス・半円・リング・リング-二重・ローリングスロープ-下向き・角丸ステップ・ぎざぎざ1がセットされ、自作することも可能。金属的な質感も作れる。「アンチエイリアス」にチェックを入れるとエッジが滑らかになる。
ハイライト 陰影のハイライトの描画モード(通常はスクリーン)、不透明度(%)を指定。
シャドウ 陰影のシャドウの描画モード(通常は乗算)、不透明度(%)を指定。

ここからは「ベベルとエンボス」の5種類のスタイルごとに立体文字を作成してみましょう。

  • 立体的な文字を作るポイントとして、テクニックはすべて「ジゼルハード」に、方向は「上へ」にしています。
  • 「ベベルとエンボス」のサブメニュー「輪郭」にチェックを入れています。
  • 深さを「100%」に設定しています。
  • サイズを「20px」に、ソフトを「5px」に設定しています。
  • 角度を「120°」に、高度を「30°」に設定しています。
  • アンチエイリアスにチェックを入れています。

「ベベル(外側)」は立体の領域を外側に広げるスタイルです。元のフォントサイズが維持されたまま立体化されます。

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ベベル(外側)「陰影」のハイライトの描画モードを「通常」・不透明度「100%」・色を文字色より明るいブルーに設定、シャドウの描画モードを「乗算」・不透明度「80%」・色を文字色より暗いブルーに設定しています。

「ベベル(内側)」は立体の領域を内側に向けるスタイルです。元のフォントサイズを狭めて立体化されます。

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「ベベル(内側)」で「陰影」のハイライトの描画モードを「スクリーン」・不透明度「50%」・色を文字色より明るいブルーに設定、シャドウの描画モードを「乗算」・不透明度「50%」・色を文字色より暗いブルーに設定しています。

「エンボス」は浮き彫りにする立体のスタイルで、紙や布に型押ししたような効果を出します。文字の内側・外側にまたがって立体化されます。

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「エンボス」で「陰影」のハイライトの描画モードを「スクリーン」・不透明度「70%」・色を文字色より明るいブルーに設定、シャドウの描画モードを「乗算」・不透明度「70%」・色を文字色より暗いブルーに設定しています。

「ピローエンボス」は「エンボス」の逆方向に浮き彫りする立体のスタイルです。文字の内側・外側にまたがって立体化されます。

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「ピローエンボス」で「陰影」のハイライトの描画モードを「乗算」・不透明度「70%」・色を文字色と同じブルーに設定、シャドウの描画モードを「乗算」・不透明度「70%」・色を文字色より暗いブルーに設定しています。

「エンボスの境界線を描く」はレイヤースタイルの「境界線」を適用した場合に、境界線だけを立体化するスタイルです。

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「境界線」で「サイズ:20px、位置:外側、描画モード:通常、不透明度:100%、塗りつぶしタイプ:カラー」に設定、「エンボスの境界線を描く」で「ハイライトの描画モード:スクリーン、白、不透明度:50%」に設定、「シャドウの描画モード:乗算、黒、不透明度:70%」に設定しています。

影文字から3D文字を作る方法

Photoshopでは3D機能がなくなってしまい、Illustratorのように押し出す3D文字を作るのが難しくなってしまいました。そこで、前述した「ドロップシャドウ」の立体文字を応用して、押し出しタイプの3D文字を作る方法をご紹介します。

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文字を立体に!Illustratorで3D文字デザインの作り方
  1. 3D加工する文字を暗めのブルーで入力後、複製します。
  2. 下の文字レイヤーに「文字に立体的に見える影を付ける方法」と同じドロップシャドウを適用します。
  3. 影の文字を右クリック➔「レイヤースタイルをラスタライズ」します。
  4. ラスタライズした文字にレイヤースタイルの「シャドウ(内側):スクリーン、色:文字色より薄いライトブルー、不透明度:50%、角度:90°、距離:20px、サイズ:10px」を適用します。
  5. 上の文字レイヤーの色をライトブルーに変更します。
  6. 上の文字レイヤーにレイヤースタイルの「シャドウ(内側):スクリーン、色:白、不透明度:50%、角度:120°、距離:8px、サイズ:8px、輪郭:円錐」を適用します。
  7. 上の文字を右クリック➔「レイヤースタイルをラスタライズ」します。
  8. 「編集」メニュー➔「変形」➔「ワープ」で上の文字の位置をわずかに調整します。
  9. 3D文字の完成です。

Photoshopで立体文字を簡単に作る方法10

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文字をラスタライズして、グラデーションを適用したり、テクスチャの質感をプラスしたり、更に加工すれば、Illustratorの3D機能と同じようなデザイン性の高い立体文字も作ることができます。試してみて下さい。