※ Adobe Photoshop 2024の画像で解説しています。
※グラデーションマップ適用の人物写真はロイヤリティフリーのH2soft「マスターフォト28000Plus」CD収録のフリー素材、その他の写真はぱくたそのフリー素材を利用しています。(サイト掲載の写真・画像について)

今回はグラデーションマップについての解説と、Photoshopを使ってグラデーションマップ加工する手順、グラデーションマップを洒落た雰囲気に仕上げる簡単なテクニックなどをご紹介します。
グラデーションマップについて
グラデーションマップは画像の明暗を色で表現するデザイン技法です。グラデーションの色の組み合わせによって、元画像とは雰囲気の違う印象的な仕上がりになります。
グレースケールの画像で最も暗い部分と最も明るい部分を色に置き換えるグラデーションマップ加工を「デュオトーン(ダブルトーン)」といいます。2色のグラデーションだけで、シックなデザインから個性的なデザインまで様々な表現が可能です。デュオトーンを基本に、グラデーションの色を追加したり部分的にグラデーションマップを重ねたりして、更に複雑で色彩豊かな加工を施すこともできます。
グラデーションマップ加工の流れを知る
グラデーションマップで写真や画像を加工するステップは以下の通り、とてもシンプルです。
- 元の画像をグレースケールに変換する
- グレースケールの暗い部分にグラデーションの描画色を、明るい部分に背景色を反映させる
クリスタ、Photoshopといったイラスト制作や画像編集ソフトにはグラデーションマップ機能があり、簡単な操作でプロっぽいデザインに仕上げることができます。
グラデーションマップの色の組み合わせと効果を知る
描画色:黒、背景色:白のグラデーションでグラデーションマップ加工した写真と、色を反転(描画色:白、背景色:黒)させてグラデーションマップ加工した写真を見比べて下さい。
- 黒➔白グラデーションの方は写真の陰影がそのまま反映されて自然です。目に心地よく、落ち着きを感じますが、インパクトはありません。
- 一方、反転させた方は写真のネガ風に加工されており、人を不安にさせる視覚効果を持ちます。作成物のテーマによっては、この組み合わせが最適なデザインを生み出すことがあります。
これらのグレースケール画像をよく観察すれば、明暗のトーンに選ぶ色がイメージできると思います。
- 暗い色を黒のトーンに近づけ、明るい色を白のトーンに近づけると、影とハイライトが強調された美しい仕上がりになります。
- 明暗のトーンが近い色を組み合わせると色が主張し合って奥行きがなくなり、劇画やポップ調の印象になります。

Photoshopでグラデーションマップを使う手順
実際にPhotoshopで「グラデーションマップ」を使いながら、加工の手順を説明します。
グラデーションマップの調整レイヤーとマスクを追加する
- グラデーションマップ加工する写真レイヤーを選択(背景レイヤーのままでもOK)
- レイヤーパネル下にある「調整レイヤーの新規作成」アイコンをクリック
- メニューから「グラデーションマップ」をクリック
- グラデーションマップの調整レイヤーとマスクが追加される
大概はこの時点で、グラデーションの初期設定「描画色:黒、背景色:白」が適用されると思います。次は、黒と白を他のカラーに置き換える作業です。
グラデーションマップのグラデーションの色を置き換える
- グラデーションマップの調整レイヤーを選択する
- 「プロパティ」を開き、グラデーションカラーをクリックする
- 「グラデーションエディタ」が開く
- グラデーションカラーの分岐点にある色「▢」をクリック
- カラーピッカーで色を変更する
指定した色でグラデーションマップが適用されました。
グラデーションマップのグラデーションの色を追加する
2色のトーンからグラデーションエディタで色を追加して、デザインに広がりを持たせましょう。
グラデーションカラーの任意の場所にカーソルを近づけてマウスポインターが手の形になったらクリックします。分岐点が追加されたら下の「▢」をクリックしてカラーピッカーで色を変更します。この操作は写真画像にリアルに反映されますから、気に入った色合いになるまで試行錯誤して下さい。
Photoshopのグラデーションマップを画像の一部分に適用する方法
「被写体の選択」や「クイック選択ツール」で写真や画像の特定の範囲を選択してからレイヤーパネル下の「調整レイヤーの新規作成」アイコン➔「グラデーションマップ」をクリックすれば、その範囲だけのグラデーションマップの調整レイヤーとマスクが追加されます。

グラデーションマップを洒落た雰囲気に仕上げる簡単なテクニック
グラデーションマップのグラデーションの方法や調整レイヤーの合成モードで、デザインをちょっと洒落た雰囲気に仕上げる簡単なテクニックをご紹介します。
グラデーションマップの調整レイヤーは個別に合成モードの種類を変更できるので、選択した部分を自然になじませる設定でデザインの仕上げをします。また、グラデーションそのものの描画方法を変更して、グラデーションマップの結果を個性的なタッチに変える方法もあります。

以下の例では、目・唇・イヤリングを範囲選択して部分的なグラデーションマップの調整レイヤーとマスクを作成し、それぞれ「オーバレイ・焼き込み(リニア)・カラー」で合成しています。

こちらはグラデーションの方法を「ストライプ」にして、ペンか鉛筆で描いたようなタッチに仕上げています。

