逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方

※ Adobe Photoshop 2025の画像で解説しています。
※「逆光写真の補正」に使用した写真は「Adobe Stock」でクレジットを取得したフリー素材です。(サイト掲載の写真・画像について

CGDOOR
逆光で撮影した写真は被写体が暗くなることがあります。例えば、食べ物の写真は斜め後ろから半逆光で撮影することが多いですが、時として肝心の被写体が暗く写ってしまいます。以下は、半逆光で暗くなったフルーツの写真をPhotoshopの色調補正で明るくしたBefore➔afterです。

逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方1

今回は、Photoshopの「明るさ・コントラスト」「レベル補正」「トーンカーブ」「シャドウ・ハイライト」「露光量」を使って、暗くなった逆光写真を明るく補正する方法をご紹介します。

レイヤーパネルで、逆光写真のレイヤーの上にそれぞれの色調補正の「調整レイヤー」を追加して補正を行うことをおすすめします。「イメージ」メニュー➔「色調補正」から実行すると元の写真に直接効果が適用されますが、「調整レイヤー」から実行すれば、元画像を損なうことなく補正を適用することができます。

逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方2

「明るさ・コントラスト」で逆光写真を補正する

「明るさ・コントラスト」は一番簡単に写真・画像を補正します。

写真レイヤーに「明るさ・コントラスト」の調整レイヤーを追加します。

「明るさ・コントラスト」は、とてもシンプルに写真の明度を上げてくれます。初めて逆光写真の補正をする時や、とにかく手早く写真全体を明るく(または暗く)したい時には、まず、ここでPhotoshopの色調補正を試してみると良いと思います。

  • 明るさ : スライダーを左に動かすと写真の中間色が暗くなり、スライダーを右に動かすと明るくなります。
  • コントラスト : スライダーを左に動かすと写真のコントラストが曖昧になり、スライダーを右に動かすとはっきりします。
逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方3
「明るさ」と「コントラスト」のスライダーを動かしながら、写真の明るさを調節しましょう。

「明るさ・コントラスト」には「自動」ボタンもありますが、意図したように写真を明るくしてくれないと思います。もし、写真の明るさに満足いかなければ、下方にある「従来方式を使用」にチェックを入れてから、再度、明度調整し直して下さい。従来方式は更にシンプルで、写真全体がストレートに明るくなります。

「レベル補正」で逆光写真を補正する

「レベル補正」は黒・白・グレーの各領域ごとに写真・画像を補正します。

写真レイヤーに「レベル補正」の調整レイヤーを追加します。

「レベル補正」には、ヒストグラム(明るさの分布をグラフ化した図)下のスライダーに「黒:最も暗い部分」「白:最も明るい部分」「グレー:中間色の部分」を調整する3つの三角ツマミがあり、これをそれぞれ動かして明度を調整します。写真・画像を明るくしながら、同時に黒を引き締めたり、白を抑制したりすることが可能です。一番下にあるスライダーでは、写真全体を明るく(または暗く)することができます。

「明るさ・コントラスト」では物足りない、難しい操作はしたくないが、写真のディテールを綺麗に保持しながら逆光写真を明るく補正したい、という人には「レベル補正」がおすすめです。

  • 「レベル補正」では、まず、「グレー:中間色の部分」の三角を左に動かしてみましょう。
  • ハイライトの部分に明るさが足りない時は「白:最も明るい部分」の三角を少し左に動かしてみましょう。
  • 被写体の輪郭をはっきりさせたい時は「黒:最も暗い部分」の三角をわずかに右に動かしてみましょう。
逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方4
全体の色調のバランスを見ながら、逆光写真の明るさを調節して下さい。

「レベル補正」には「自動補正」ボタンがありますが、やはり、意図したように補正してはくれないでしょう。自分で調整するのがためらわれるなら、むしろ、「プリセット」の初期設定をクリックして「中間調を明るく」を選択してみましょう。スライダーの位置をどれだけ動かせば、どの程度明るくなるかの目安を把握できます。

「レベル補正」では更に詳細に色調を補正する機能もあります。写真・画像のモードがRGBなら「レッド・グリーン・ブルー」の各色ごとに、CMYKなら「シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック」の各色ごとに調整することが可能です。

「トーンカーブ」で逆光写真を補正する

「トーンカーブ」は「レベル補正」機能より更に詳細に写真・画像を補正します。

写真レイヤーに「トーンカーブ」の調整レイヤーを追加します。

「トーンカーブ」はヒストグラムを背景にした斜めの直線です。この線にコントロールポイントを置いて上下に移動させると、逆光写真を明るく補正することができます。

RGB「レッド・グリーン・ブルー」の各色ごとに、CMYK「シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック」の各色ごとに調整することも、もちろん可能。写真・画像の特定の色を指定して調整することもできます。ただ、機能が多い上に調整が複雑で、使いこなすには経験が必要です。写真の精細な補正に向いています。

  • 「トーンカーブ」の中央を上へドラッグして山なりのカーブにすると明るくなります。
  • 「トーンカーブ」の右側中央を下へドラッグ、左側中央を上へドラッグして逆S字型にすると、柔らかな明るさになります。
  • 「トーンカーブ」の右側中央を上へドラッグ、左側中央を下へドラッグしてS字型にすると、シャープな印象になります。
逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方5
「トーンカーブ」で逆光写真を明るくする場合は逆S字型にします。

「トーンカーブ」でも「プリセット」の初期設定をクリックして「明るく(RGB)」を選択してみましょう。トーンカーブをどの位置へどのくらい動かすとどれだけ明るくなるかを把握できます。

「トーンカーブ」では「手」のアイコンを選択して明るくしたい箇所をクリックすると、トーンカーブ上にその場所のコントロールポイントが表示されます。そのポイントを上へドラッグして明るく補正できます。逆に、明るくなり過ぎた箇所を暗めに補正することもできます。但し、あまり細かくポイントを作りすぎると写真画像が荒れるので注意しましょう。

「シャドウ・ハイライト」で逆光写真を補正する

「シャドウ・ハイライト」は明度と彩度をまとめて写真・画像を補正します。

「イメージ」メニュー➔「色調補正」➔「シャドウ・ハイライト」をクリックします。「シャドウ・ハイライト」は調整レイヤーを作成できません。写真を複製するか、スマートオブジェクトに変換して対処して下さい。

「シャドウ・ハイライト」はシャドウを明るく、ハイライトを暗くする色調補正で、逆光写真の補正には最適な機能です。簡単な設定画面と詳細な設定画面を切り替えて使い分けることができます。明度だけでなく、彩度も調整できるので、きれいな明るさに仕上がります。

【簡単設定】
  • シャドウ : スライダーを右に移動させて、シャドウ部分を明るく補正します。
  • ハイライト : スライダーを右に移動させて、ハイライト部分を暗く補正します。
【詳細設定】「詳細オプションを表示」にチェックを入れて切り替え
  • シャドウ・ハイライト  : 明るさ・暗さの適用量です。
  • シャドウ・ハイライト 階調 : 明るさ・暗さの適用範囲です。
  • シャドウ・ハイライト 半径 : 明るさ・暗さのぼかし強度です。
  • 調整 カラー : 明るく・暗くした色の彩度を調整します。
  • 調整 中間調 : 明るさ・暗さのコントラストを調整します。
逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方6
逆光写真を補正する場合は、「シャドウ」を明るくします。明るくした範囲の色がボケるので、詳細オプションで「カラー」の数値を上げて彩度を調整します。

「露光量」で逆光写真を補正する

「露光量」は暗い部分・明るい部分・中間色の部分ごとに写真・画像を補正します。

写真レイヤーに「露光量」の調整レイヤーを追加します。

「露光量」は「黒:暗い部分」「白:明るい部分」「グレー:中間色の部分」ごとに輝度を補正します。逆光写真を自然な明るさに調整してくれます。

  • 露光量 : 「明るい部分」を補正します。スライダーを右に動かすと明るい部分が更に明るくなり、左に動かすと暗くなります。
  • オフセット : 「暗い部分」を補正します。スライダーを左に動かすと暗い部分が更に暗くなり、左に動かすと白くかすみます。
  • ガンマ : 「中間色の部分」を補正します。スライダーを右に動かすと暗くなり、左に動かすと明るくなります。

逆光写真の補正に使う場合、「露光量」は「0~1」、「オフセット」は「0」、「ガンマ」を左に移動させて調整すると自然な明るさになります。

逆光写真を補正するPhotoshopの5機能の使い方7

その他の色調補正

※ Adobe Photoshop 2024の画像で解説しています。 ※グラデーションマップ適用の人物写真はロイヤリティフリーのH2soft「マスターフォト28000Plus」CD収録のフリー素材、その他の写真はぱくたそのフリー素材を利用[…]

Photoshopのグラデーションマップでおしゃれに色調補正
CGDOOR
以上、逆光写真を補正するPhotoshopの機能「明るさとコントラスト」「レベル補正」「トーンカーブ」「シャドウ・ハイライト」「露光量」を図解しました。

逆光写真を簡単に、尚且つ綺麗に補正するという点から言うと、「レベル補正」と「シャドウ・ハイライト」がおすすめです。精緻に補正する必要があるなら「トーンカーブ」でしょう。