文字を立体に!Illustratorで3D文字デザインの作り方

※ Adobe Illustrator 2024の画像で解説しています。

CGDOOR
Illustratorでは「ブレンド」と「3Dとマテリアルの押し出し」を使って、飛び出すような立体文字が作れます。

今回はIllustratorで文字を立体にする2つの方法、3D文字デザインの実例を解説します。

Illustratorの「ブレンド」で立体文字を作る方法

Illustratorのブレンドは、一方のオブジェクトから他方のオブジェクトへ色や形を等間隔で変形させていく機能です。変形させる間隔を狭めてブレンドすることで、飛び出すような奥行きの立体文字を作ることができます。

  1. 立体にする文字を文字ツールで入力する(レイヤー名:正面文字)
  2. 文字レイヤーを複製する(レイヤー名:ブレンド)
  3. 「ブレンド」レイヤーの文字の「塗り」と「線」を入れ替え、線幅を3ptにする
  4. 線の文字をコピー、「背面にペースト」する
  5. 「背面にペースト」した文字の色をやや薄いグレーに変更し、斜め下へ移動させる
  6. メニューバーの「オブジェクト」➔「ブレンド」➔「ブレンドオプション」をクリック
  7. 「ブレンドオプション」を設定(この例では「距離」「0.5㎜」)して「OK」で閉じる
  8. 「ブレンド」レイヤーの2つの文字を選択して、キーボードの「Ctrl+Alt+B」を押すか、または「オブジェクト」➔「ブレンド」➔「作成」をクリック
  9. 2つの文字がブレンドされて、立体文字の奥行きができる
  10. 「正面文字」レイヤーの文字の「塗り」の色を設定する

以上で、Illustratorの「ブレンドツール」を使った立体文字の完成です。

文字を立体に!Illustrator3D文字デザインの作り方1
ダイレクト選択ツールでブレンドの一方の文字を選択、移動させて立体の幅や角度を変更できます。

Illustratorの「3Dとマテリアル・押し出し」で立体文字を作る方法

Illustratorの「3Dとマテリアル」の「押し出し」は、オブジェクトの形状に奥行きを付けて前面に押し出すように立体化させます。

  1. 立体にする文字を文字ツールで入力する
  2. メニューバーの「効果」➔「3Dとマテリアル」➔「押し出し」をクリック
  3. 「3Dとマテリアル」パネルの「オブジェクト」「マテリアル」「ライト」タブで「奥行き」その他を設定
  4. 「3Dとマテリアル」パネルの「レイトレーシング」アイコンをクリックしてレンダリングする

「3Dとマテリアル」パネルの設定をいじらなくても、「押し出し」をクリックすればデフォルトの設定で立体文字になります。

文字を立体に!Illustrator3D文字デザインの作り方2
中心に表示される◯をドラッグすれば、立体文字の方向・角度を直感的に変えることができます。

3D文字デザインの実例

文字を立体にする基本操作が分かったら、デザインをアレンジしてみましょう。Illustratorだけで、広めの縁取り文字の立体ロゴを作ったり、お店やオフィスの看板で見かける切り文字のようなデザインを作ったりできます。そうした立体文字デザインの例をご紹介しますので、よろしければ参考にして下さい。

文字をスタイリッシュに加工するためには、文字をアウトライン化、またはアピアランスを分割する必要がでてきます。文字をパス化することで凝った編集が可能になりますが、フォント情報は消失するので文字を入力し直すことはできなくなります。アウトライン化やアピアランスの分割を実行する前に、文字のバックアップを取っておくことをお勧めします。

文字のアウトラインを作成してパス化する操作は以下の記事を参照して下さい。

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Illustratorで「アウトライン化」する意味・方法・使い方

縁取り文字を加工した立体ロゴのデザイン

ワープの「アーチ」でカーブさせた文字をアウトライン化して複製し、パスのオフセットで広めの縁取りにして背面にコピー、文字色を変えて下へ移動させます。縁取り文字2つをブレンドして立体化、最初のカーブ文字に「効果」➔「スタイライズ」➔「ドロップシャドウ」で少しだけ影を付けます。

文字を立体に!Illustrator3D文字デザインの作り方3

四角いフォントの文字の「塗り」を淡色、「線」を同系色のやや濃い色に設定。これをアウトライン化して複製し、パスのオフセットで縁取りを作って文字の「塗り」を最初の文字色を目立たせる色に置き替え、「線」を無しにします。文字2つを「3Dとマテリアルの押し出し」で同じように立体化、最初の立体文字に「効果」➔「スタイライズ」➔「ドロップシャドウ」で影を付けます。

文字を立体に!Illustrator3D文字デザインの作り方4

切り文字や浮き出し文字のデザイン

壁面をイメージした背景の上に「塗り:黒、線:モスグリーン」で「OFFICE」と入力、「3Dとマテリアルの押し出し」で立体化し、「効果」➔「スタイライズ」➔「ドロップシャドウ」で影を付けます。楕円形ツールで白の楕円形を描画し、「効果」➔「スタイライズ」➔「ぼかし」を掛け、プロパティの「透明」で描画モードを「オーバレイ」にします。これを切り文字の上に配置して微かな光を添えます。

文字を立体に!Illustrator3D文字デザインの作り方5

グレーの背景の上に同色の文字を入力してアウトライン化、パスファインダーの合体を押してからダイレクト選択ツールで文字の一部を選択、塗りを赤にします。「3Dとマテリアルの押し出し」で「バベル:円形」も設定して立体化します。「3Dとマテリアル」パネルの「ライト」タブで「柔らかさ」と「環境光の強度」を大きめに設定します。また、文字の表面にツヤを出したい時は「3Dとマテリアル」パネルの「マテリアル」タブで「粗さ」を小さめにし、「メタリック」も少し適用します。

文字を立体に!Illustrator3D文字デザインの作り方6


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文字の立体化はロゴ制作やタイトル文字の制作に欠かせないテクニックです。

Illustratorには疑似3Dに文字加工するツールが揃っています。「ブレンド」と「3Dとマテリアル」を基本に他のツールや効果と組み合わせて、人目を引く立体文字をデザインして下さい。