CMYKとは?RGBとは?どちらのカラーモードに設定すべき?

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デジタル画像を使ったWebデザインや印刷物を制作する際、作成ソフトのカラーモードをCMYKとRGBのどちらにするか、の選択は重要です。

今回は「CMYK」「RGB」とは何か? どのような違いがあるのか、用途や作成ソフト別にどちらのカラーモードをを設定したらいいのか、について説明します。

CMYKとは? 意味と表現方式

「CMYK」は色を表現する方式「カラーモード」の一つです。CMYKは、印刷に使うインクやトナーの三原色「Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)」と、黒を表す「Key plate(キープレート)」の組み合わせを意味し、それぞれの頭文字を繋げた名称です。

「Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)」は、混ぜ合わせれば混ぜ合わせるほど明度・彩度が減って黒に近づくため、CMYKの表現方式は「減法混色」と呼ばれます。ただ、黒に近づくと言っても、実際には濃い灰色と茶色が混じったような色になり、完全な黒にはなりません。そこで、基本の印刷カラーである「黒:Key plate(キープレート)」を組み合わせています。

CMYK値は4色の割合を%で配分します。全色=0%は「白」を表すため、CMYKでは白は再現できないことになり、白い部分は印刷されず、紙色がそのまま残ります。

  

Cyan(シアン)とは何色?

Cyan(シアン)は緑がかった青色を指し、青よりは水色に近い色合いです。Aqua(アクア)とはほぼ同色、赤と補色関係にあり、カラーコードは「#00FFFF」、RGB値に置き換えると「0,255,255」になります。

CMYK値では「C:100%、M:0%、Y:0%、K:0%」ですが、この色はウェブカラーで見ると薄めの青色で、緑が少ないイメージです。一般に画像でシアンと呼ばれるのは遠浅の海の色に近く、「C:55%、M:0%、Y:18%、K:0%」で表現されます。

  

Magenta(マゼンタ)とは何色?

Magenta(マゼンタ)は紫がかった赤を指し、鮮やかな赤紫~濃いピンクの色合いです。緑と補色関係にあり、カラーコードは「#FF00FF」、RGB値に置き換えると「255,0,255」になります。

CMYK値では「C:0%、M:100%、Y:0%、K:0%」ですが、この色はウェブカラーで見ると赤味の強いピンクです。一般に画像でマゼンタと呼ばれる色は、もう少し紫が濃く含まれ、「C:37%、M:76%、Y:0%、K:0%」で表現されます。

  

Yellow(イエロー)とは何色?

Yellow(イエロー)は単色の黄色です。青と補色関係にあり、カラーコードは「#FFFF00」、RGB値に置き換えると「255,255,0」になります。CMYK値では「C:0%、M:0%、Y:100%、K:0%」で、若干、黄色味が濃くなります。

RGBとは? 意味と表現方式

「RGB」も色を表現する方式「カラーモード」の一つです。RGBは、光の三原色「Red(レッド)、Green(グリーン)、Blue(ブルー)」の組み合わせを意味し、それぞれの頭文字を繋げた名称です。

人間は光の反射と吸収によって色を識別します。光は混ぜ合わせれば混ぜ合わせるほど輝度が加わって白くなるため、RGBの表現方式は「加法混色」と呼ばれます。光がすべて吸収されると黒になります。

CMYKとRGBどちらのカラーモードに設定すべき?

CMYKとRGBには明確な用途の違いがあります。また、IllustratorとPhotoshopでは印刷物の作成で設定すべきカラーモードが異なります。

  

CMYKは印刷に使うカラーモード

CMYKは紙媒体に印刷するためのカラーモードです。

RGBで印刷物を入稿すると、多くの場合、CMYKに変換して印刷されます。CMYKはRGBと違って、全ての色彩を表現できるわけではありません。そのため、制作物のイメージと異なる色が再現される結果になります。また、蛍光色や金色銀色、鮮やかで非常に明るい色を表現するためには特殊なインクや技術が必要になります。

自宅で印刷するインクジェットプリンターのインクもCMYKの4色が基本です。最近のプリンターでは、CMYK(プロセスカラー)にグレーやライト系の色を加えた8色インク、蛍光色も再現できる特色インクを加えた10~12色インク対応の機種も出ており、表現できる色域は確実に広がっています。

  

印刷物の作成で設定すべきカラーモード

Illustratorで印刷物を作成する場合には、カラーモードをCMYKに設定します。
Photoshopで印刷物を作成する場合にはカラーモードをRGBに設定し、作成が完了した時点でCMYKに変換します。

Photoshoで作業時にCMYKモードを選択すると、機能が制限されます。そこで、カラーモードをRGBに設定した上で、「表示」メニュー➔「校正設定」➔「作業用CMYK」になっていることを確認、更に、「表示」メニュー➔「色の校正」にチェックを入れます。これで、印刷イメージを確認しながらデザインを制作できます。

  

RGBはモニターで使うカラーモード

RGBはPCモニターや液晶ディスプレイに表示させるためのカラーモードです。

Webデザインや動画を作成する場合には、カラーモードをRGBに設定します。

モニターの種類によって違いはあるものの、ほぼRGB方式のカラーモードで見た目通りの色のまま再現されます。

カラーモードを確認するには?

  

Illustratorでの確認方法

「ファイル」タブ➔「ドキュメントのカラーモード」で「CMYKカラー」と「RGBカラー」の内、レ点でチェックされている方が現在のカラーモードになります。

カラーモードを変換するには、チェックされていない方をクリックします。

  

Photoshopでの確認方法

「イメージ」タブ➔「モード」で8種類のカラーモードの内、レ点でチェックされているのが現在のカラーモードになります。

カラーモードを変換するには、「CMYKカラー」または「RGBカラー」をクリックします。

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CMYKは印刷用のカラーモードであり、インクを混ぜて色を表現します。一方のRGBはモニター用のカラーモードであり、光によって色を表現します。2つのカラーモード「CMYK」と「RGB」の違いを理解することは、効率的なデザイン制作に役立ちます。本記事が参考になれば幸いです。