※ Adobe Photoshop 2024、2025の画像で解説しています。
※生成拡張のサンプルに使った人物写真はH2soft「マスターフォト28000Plus」CD収録のフリー素材を、風景写真は「写真AC」のフリー素材を利用しています。(サイト掲載の写真・画像について)

▶ Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」で背景を伸ばす方法
をご紹介しました。
その後Photoshop2024(またはベータ版)から生成AIを使った「生成拡張」機能が導入され、より進化した背景の拡張が可能になっています。「Adobe Firefly」の強化された機能をPhotoshopの切り抜きツール内で実行し、手軽に高精細な背景画像を生成できます。
今回は、Photoshop切り抜きツールの「生成拡張」を使って、背景を自動生成する方法を解説します。
Photoshopの「生成拡張」を使うには?
「生成拡張」機能を使いたいが、Photoshopを開いても見当たらない、どこにあるか分からない、という意見が多いのは以下のどちらかが理由であると思います。対処法を確認して下さい。
- バージョンがPhotoshop2024以前である
➔対処法:「生成拡張」を利用するにはアップデートが必要です。 - コンテキストタスクバーが非表示になっている
➔対処法:「ウィンドウ」メニュー➔「コンテキストタスクバー」をクリックして開いて下さい。
※ Adobe Photoshop 2024、2025の画像で解説しています。 CGDOOR Photoshopの作業中、メニューやツールバーを辿って機能を実行する手間を省いてくれる「コンテキストタスクバー」ですが、便利な半[…]
Photoshop「生成拡張」の商用利用について
生成拡張を仕事に利用し、生成された画像を作品に使用することができます。生成に使われる素材の安全性について著作権侵害の不安を持つ人もいると思いますが、「Adobe Stoc」など著作権フリーの写真やイラストからだけ生成されるので安心です。
Adobe 生成AI(Photoshop「生成拡張」を含む)を使用する際のガイドラインはこちら
Photoshopの「生成拡張」の使い方【基本】
Photoshopの「生成拡張」は前述したように「切り抜きツール」から実行します。
Photoshopの「生成拡張」でカンバスを広げて背景の続きを生成
「生成拡張」を使って写真の背景を広げる基本操作です。ここでは最も一般的な例として、空を拡張してみましょう。
- 「コンテキストタスクバー」の表示を確認(非表示なら「ウィンドウ」メニュー➔「コンテキストタスクバー」をクリック)
- 「切り抜きツール」アイコンをクリック
- 写真画像の四隅と四辺中央に表示されるエッジをドラッグしてカンバスを広げる
- 「コンテキストタスクバー」の「生成拡張」をクリック
- プロンプトにはテキストを入力せず「生成」をクリック
- 生成が開始され、3種類のバリエーションが提示される
- 最もイメージに合う拡張画像を選択する


ただ、バリエーション画像が増えると、ファイルサイズが重くなるので注意が必要です。PCのスペックによっては動作に影響が出ますので、使う拡張画像が決まったら、他のバリエーションはサムネイル横のゴミ箱アイコンで削除しておくことをお勧めします。
Photoshopの「生成拡張」で欠けた部分を生成
人物の髪や服装の一部が欠けている写真を補完する操作です。ブラシを使って塗り足す作業をするとなると、かなりの時間と手間が要求されますが、Photoshopの「生成拡張」を使えば1分もかからずに実装できます。

Photoshopの「生成拡張」の使い方【応用】
欠けた部分を足す「生成拡張」の範囲を更に広げて、生成AIの実力を確かめてみましょう。
以下は、前章の女性の写真で拡張範囲を大幅に広げて同じ操作を試した結果です。女性の顔の向きや視線をAIが的確に理解し、雰囲気に合う情景を生成していることが分かります。
Photoshopの「生成拡張」を重ねて最適なイメージに近づける
楽器を弾く女性のバリエーションを選択することにして、もう一度「切り抜きツール」で拡張範囲を広げ、「プロンプトなしで生成拡張」を繰り返します。
「生成拡張」を繰り返すことで画像のイメージを少しずつ塗り足すように拡張していくと、細かい部分を最終的に修正する際にもスムーズにいきます。1つのやり方として試してみて下さい。

新機能を習得するには試行錯誤が欠かせません。簡単な背景拡張から始めて、Photoshopの「生成拡張」を使いこなしていきましょう。本記事が生成AIへの小さな道案内になれば幸いです。