Illustratorで「消しゴムツール」のサイズ・形を変えて図形を削除

※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。

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Illustratorの「消しゴムツール」はパスやシェイプを自由な操作で削除する機能です。パス上のポイントやハンドルを調整して形を変えるのではなく、パスをなぞりながら、ブラシで押し込むように凹凸や歪みを作っていきます。もちろん、オブジェクトを部分的に削除することも、塗りつぶして全て消し去ることもできます。

単純な機能に思えますが、オプションで消しゴムのサイズと形をカスタマイズできるため、幅広い作業に役立ちます。

今回は「消しゴムツール」のサイズ・形を変更して図形の一部を削除しながらデザインする使い方について解説します。

「消しゴムツール」のサイズ・形を変更して図形の一部を削除しながらデザインする使い方サンプル

「消しゴムツール」は多くの場合、ツールバーにアイコンが表示されています。もし、なければ、「はさみツール」アイコンを見つけ、長押しして、メニューから選択できます。
「消しゴムツール」を手早く実行するには、キーボードの「Shift+E」を押すと、消しゴムのアイコンがツールバーに出現し、機能がアクティブになります。

「消しゴムツール」のサイズを大きくして図形を丸く削除

「消しゴムツール」アイコンをダブルクリックすると、「消しゴムツールオプション」ダイアログが開きます。

デフォルトの設定では消しゴムの形は正円で、サイズは10ptになっています。ここでは、サイズの数値を「100pt」に変更して「OK」をクリックします。

カンバスには3つの図形が並んでいますが、どれも選択しなければカンバス上のすべてのオブジェクトが消しゴムツールで削除する対象になります。どれか一つでも選択されていれば、そのオブジェクトだけが消しゴムツールで削除する対象になります。

消しゴムツールに限ったことではありませんが、グリッドを表示し、オブジェクトの不透明度を70%前後に下げてから操作すると、位置が分かりやすくなります。

グリッドを見ながら、図形の真ん中をクリックするだけで丸く削除することができます。パスファインダーで切り抜きするより簡単です。

「消しゴムツール」のサイズを大きくして図形を丸く削除

「消しゴムツール」+Alt(Option)キーで図形を四角く削除

「消しゴムツール」の形は円(~楕円)の1種類ですが、Alt(Option)キーを押しながらドラッグすると、自由な大きさの四角い範囲を削除することができます。

この場合もグリッドを参考にしながら削除する範囲をドラッグします。

「消しゴムツール」+Alt(Option)キーで図形を四角く削除
※消しゴムの操作が完了したら、図形の不透明度を100%に戻し、グリッドを隠します。

「消しゴムツール」の形と角度を変えてブラシ風に図形を削除

「消しゴムツール」アイコンをダブルクリックして「消しゴムツールオプション」ダイアログを開き、「角度」「真円率」「サイズ」を変えます。ここでは、カリグラフィブラシの線形で削除するために、「角度:90度、真円率:15%、サイズ:20pt」に設定しました。

消しゴムの形が縦長の楕円形になり、ドラッグすると、始点と終点が細く中央が太い綺麗な線形を描きます。

波型にドラッグすると、ブラシで描いたような滑らかなアウトラインで図形を削除することができます。

「消しゴムツール」の形と角度を変えてブラシ風に図形を削除
右下の図形は、消しゴムで削除した後の分割されたクローズドパスの塗りの色を変えて、全体に影を付けた例です。
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Illustratorの「消しゴムツール」は、単に不要な箇所を消去するといった使い方だけでなく、「角度」「真円率」「サイズ」を変えて、ロゴタイプやロゴマークのデザインにも応用できます。一度お試し下さい。