※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。

今回は、細い書式のフォント文字をIllustratorで太くする方法を解説します。
「線」を大きくして文字を太くする方法
元々、Illustratorのオブジェクトは「塗り」と「線」で構成されています。入力した文字は「塗り」だけで「線」が非表示になった状態ですから、「線」に「塗り」と同じ色を付けて線幅を大きくすれば文字を太くすることができます。

「アピアランス」でアウトライン化せずに文字を太くする方法
「ウィンドウ」メニューの「アピアランス」をクリックしてパネルを開き、「線の追加」や「パスのオフセット」で文字を太くする方法です。
「パスのオフセット」は、元のパスに指定した数値分のパスを追加する機能です。本来はパス情報を持ったオブジェクトを対象とするので、文字のままでは適用できません。「書式」メニュー➔「アウトラインを作成」して、文字をパスを持つオブジェクトに変換してから適用することになります。
ですが、「アピアランス」パネルでなら、フォントや文字サイズの情報を保持したまま文字を太くすることが可能です。太くなり過ぎた文字を後から修正したり、文字の間隔を調整したり、フォントの種類やテキスト自体を変えることもできます。
- 文字を選択し、「アピアランス」パネルにある黒の四角いアイコン(新規線を追加)をクリックします。
- 追加した線の横にある「線幅」を大きく設定します。

- 文字を選択し、「アピアランス」パネルにある白の四角いアイコン(新規塗りを追加)をクリックします。
- 追加した塗りを選択して、今度は「fx.新規効果を追加」をクリックします。
- リストから「パス」➔「パスのオフセット」をクリックします。
- 「パスのオフセット」の設定画面で太くする数値と角の種類を指定します。
- 「OK」をクリックします。

「新規塗りを追加」せずに、文字に直接「fx.新規効果を追加」➔「パス」➔「パスのオフセット」を適用してもOKです。塗りに適用した場合は「アピアランスを分割(Alt+O➔Alt+E➔Enter)」すると、元の細い文字とパス化した太い文字に分割され、「グループ解除(Shift+Ctrl+G)」でパスのオフセット文字だけを取り出すことができます。
文字の形を修正する
どの方法にしても、フォントによっては文字のデザインが崩れたり、読みにくくなったりすることがあります。そうした時には以下の方法で修正します。
- 文字パネルを開き、トラッキングで狭くなった文字の間隔を広げる
- 「パスのオフセット」をクリックして、設定を見直す
- 角の形状をマイター結合からラウンド結合に変える
- 「グループ解除(Shift+Ctrl+G)」して1つ1つの文字位置を修正する
- ダイレクト選択ツールでパスを表示し、コーナーウィジェットで角の丸みを修正する


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アピアランスで塗りにパスのオフセットを適用する方法から、元の文字とパス化した太文字を分割するのは地味に便利です。試してみて下さい。