※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。

今回はグラデーションメッシュの特性と使い方、初心者にやさしいグラデーションメッシュの作り方を解説します。
グラデーションメッシュの特性と使い方
グラデーションメッシュの優れた特性は、自由で細やかなグラデーションの作成が可能だということです。メッシュラインという線を網状に交差させ、交差点のメッシュポイントに色を付けることで、明暗のはっきりした絵画的な表現ができます。
- キーボードの「U」またはツールバーの「メッシュとメッシュエンベロープを作成および編集」アイコンをクリックしてメッシュ機能を有効にします。
- メッシュを適用するオブジェクトの中をクリックしてメッシュポイントを追加します。
- メッシュポイントの追加と同時に、十字に交差するメッシュラインが作成されます。
- スウォッチから色を選択して、メッシュポイントに適用します。
- グラデーションメッシュが作成されます。
- 「オブジェクト」メニュー➔「グラデーションメッシュを作成」をクリックします。
- 「グラデーションメッシュを作成」ダイアログが開きます。
- メッシュの「行数」と「列数」をそれぞれ数値で入力します。
- 「種類」を選択します。
- 「フラット」:行数・列数がそのまま適用され、メッシュに色は付きません。
- 「中心方向」:行列の中央のメッシュポイントにハイライトカラー(白)が適用されます。
- 「エッジ方向」:メッシュオブジェクトの境界線にハイライトカラー(白)が適用されます。
- 「ハイライト」の適用度を%で指定します。
- グラデーションメッシュが作成されます。
- メッシュポイントに明るい色を入れると、ハイライト効果でオブジェクトを立体的に見せます。
- メッシュポイントに暗い色を入れると、シャドウ効果でオブジェクトに凹んだような影を付けます。
- メッシュポイントに入れた色は、近接する色に流れるグラデーションになります。
グラデーションメッシュは色を付けるだけでなく、メッシュラインやポイントを通常のパスのアンカーポイントと同様に移動・変形させることができます。
- ダイレクト選択ツールに切り替えて、メッシュポイントをクリックします。
- ポイントの位置をドラッグで移動させ、または、ポイントから伸びる方向ハンドルをドラッグしてメッシュとオブジェクトを変形させます。

初心者にやさしいグラデーションメッシュの作り方
ここからは、実際にメッシュグラデーションで立体的・写実的なオブジェクトを作りながら、初心者でも失敗の少ないテクニックを解説していきます。
- グラデーションメッシュの土台になる下描きを分割して作る
- メッシュオブジェクトの下描きは、幾つかのオブジェクトに分割して作成します。
グラデーションメッシュがうまくいかない原因で多いのは、広範囲に複雑なメッシュを設定するとメッシュラインが互いに干渉し合って意図しないヨレやねじれが生じやすくなるという点です。これは、メッシュの範囲をある程度細かく仕切ることで解消できます。
- メッシュをオブジェクトの形に合わせる
- 下描きはペンツールなどでトレースせず、長方形ツールや楕円形ツールに設定したメッシュオブジェクトを形に合わせて変形させていきます。
トレースした下描きにグラデーションメッシュを適用するとラインがおかしな形に湾曲することが多いため、最初に行数:2、列数:2のシンプルなメッシュを作り、これをオブジェクトに合わせて変形させます。
- メッシュポイントを増やし、グラデーションメッシュの色を入れていく
- キーボードの「U」またはツールバーの「メッシュとメッシュエンベロープを作成および編集」アイコンをクリックしてグラデーションメッシュを有効にし、クリックでポイントと十字ラインを適宜追加します。メッシュの形は可能な限りシンプルにするのがコツです。
ダイレクト選択ツールでそれぞれのメッシュポイントをクリックして色を入れます。元の画像の明暗に合わせて、メッシュラインとポイント、ハンドルを調整します。
最後に、グラデーションメッシュの適用具合を微調整します。
他のオブジェクトにも同じ作業を繰り返し、グラデーションメッシュの作成完了です。
※色を入れる時、ハイライト、シャドウ、中間色に使う色をスポイトツールで元画像から取得し、スウォッチにサムネイルを入れておくと作業がやりやすいと思います。
※「編集」➔「カラーを編集」➔「オブジェクトを再配色」でカラーバリエーションも簡単に作れます。
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絵画的な表現ができる便利なグラデーションメッシュですが、ファイルサイズが重くなりがちであることや、パスファインダーなど一部の機能が使えないこと、メッシュの作り方に多少の習練が必要であることなどデメリットも多い機能です。通常のグラデーションと組み合わせたりして、上手に活用して下さい。