オブジェクトのサイズ変更にIllustrator「拡大縮小ツール」を使う方法

※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。

CGDOOR
オブジェクトのサイズを拡大・縮小するには、多くの場合、バウンディングボックスで操作します。Illustratorのバウンディングボックスでの拡大縮小について以下に簡単にまとめます。

  • Illustratorでバウンディングボックスを表示するには、ショートカットキー「Shift+Ctrl(Command)+B」を押すか、または「表示」➔「バウンディングボックスを表示」をクリックします。
  • Illustratorでバウンディングボックスの大きさや形を変えるには「環境設定」➔「選択範囲・アンカー表示」の「アンカーポイント、ハンドル、およびバウンディングボックスの表示」で設定します。
  • バウンディングボックスの□をそのままドラッグすると、縦方向または横方向へ自由な大きさに拡縮します。
  • バウンディングボックスの□をShiftキーを押しながらドラッグすると、元の比率を維持して拡縮します。
  • バウンディングボックスの□をAlt(Option)キーを押しながらドラッグすると、中心の位置を変えずに拡縮します。
  • 角、線幅と効果をオブジェクトと一緒に拡大縮小するには「プロパティ」➔「変形」➔「変形 詳細オプション(三点リーダーメニュー)」で設定します。

通常のマウス操作では「拡大縮小ツール」の出番はあまりないかもしれません。「拡大縮小ツール」を使ってサイズ変更するのは以下のような場合です。

  • 拡大縮小率を%できっちり指定したい場合
  • サイズを変更しながらコピーを行う場合
  • 塗りに適用したパターンを拡大縮小したい場合

今回は「拡大縮小ツール」のマウス操作と、上記の3つの使い方について解説します。

半角英数字モードでキーボードの「S」を押すと、「拡大縮小ツール」の機能がアクティブになります。

「拡大縮小ツール」のマウス操作

ツールバーの「拡大縮小ツール」アイコンをクリックすると、選択されたオブジェクトの中央に「基準点(デフォルトで水色)」が表示されます。拡大縮小ツールでは、この「基準点」を固定して拡縮が行われ、外側にドラッグすると拡大、内側にドラッグすると縮小します。

拡大縮小ツールの基準点は回転ツールやリフレクトツールと同様に好きな位置へ移動させることができます。移動させた基準点を利用して、オブジェクトを拡大縮小させながら反転させたり、移動コピーさせることも可能です。

「拡大縮小ツール」のマウス操作
拡大縮小ツールの基準点を移動させたい場所をクリックで指定します。その位置が固定された状態で拡大縮小が行われます。

注意点

「拡大縮小ツール」をマウス操作で実行する際に注意しなくてはならないのは、わずかなマウスの動きで大きくオブジェクトが歪み、制御が効かなくなる点です。特に操作に慣れない初心者の頃は、変な形に拡縮されて困惑することがあるでしょう。

マウスで拡縮する時はバウンディングボックスを使い、拡大縮小率の指定やパターンの拡縮には以下で解説する拡大縮小ツールのダイアログボックスを使う、という使い分けが効率的だと思います。

「拡大縮小ツール」の使い方1・拡大率・縮小率を%できっちり指定

ツールバーの「拡大縮小ツール」アイコンをダブルクリックすると、拡大・縮小ダイアログボックスが開きます。

  • 「拡大・縮小」の「縦横比を固定」をオンにして、全体の拡大縮小率を%で指定 ➔ オブジェクトの比率を変えずに等倍で拡縮
  • 「拡大・縮小」の「縦横比を変更」をオンにして、水平方向・垂直方向それぞれの拡大縮小率を%で指定 ➔ オブジェクトの比率を縦幅と横幅で変えて拡縮
  • 「オプション」の「角を拡大・縮小」をオンにする ➔ オブジェクトのコーナーの角度が指定した拡大縮小率に応じて拡縮
  • 「オプション」の「角を拡大・縮小」をオフにする ➔ オブジェクトのコーナーの角度を変えずに拡縮
  • 「オプション」の「線幅と効果を拡大・縮小」をオンにする ➔ 指定した拡大縮小率に応じて線のサイズと効果の適用度を変更
  • 「オプション」の「線幅と効果を拡大・縮小」をオフにする ➔ 線のサイズと効果の適用度を変えずに拡縮
「拡大縮小ツール」の使い方1・拡大率・縮小率を%できっちり指定
特に、オブジェクトの縮小率が大きい場合は、「線幅と効果を拡大・縮小」をオンにしないとデザインが崩れるので注意しましょう。逆に拡大率が大きい場合は、「角を拡大・縮小」をオンにするとコーナーの形が変わってしまうことがあるので注意が必要です。

「拡大縮小ツール」の使い方2・サイズを変更しながらコピー

花のイラストのデザインで、縮小コピーした花弁のオブジェクトを同じ場所に重ねることがあります。こうしたテクニックを実装するのに「拡大縮小ツール」が役立ちます。

拡大・縮小ダイアログボックスで「縦横比を固定」をオンにして縮小率を%で指定し、「コピー」をクリックします。基準点はデフォルトで中心にありますから、同じ位置に縮小されたオブジェクトがコピーされます。

「拡大縮小ツール」の使い方2・サイズを変更しながらコピー

「拡大縮小ツール」の使い方3・パターンの拡大縮小

オブジェクトの塗りにパターンを適用すると大きく表示されることがあり、位置もずれます。こんな時には「拡大縮小ツール」のダイアログボックスで、パターンだけを縮小する設定を行います。

「縦横比を固定」をオンにして全体の縮小率を%で指定し、「オブジェクトの変形」をオフに、「パターンの変形」をオンに設定します。

「拡大縮小ツール」の使い方3・パターンの拡大縮小
※縮小率はプレビューを確認しながら適宜調整しましょう。
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Illustratorで基準点を中心に回転コピーさせる「回転ツール」の使い方
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Illustratorでサイズを拡大縮小するには、通常バウンディングボックスを使います。「拡大縮小ツール」を有効に使うのは、拡大縮小率を数値で指定する場合、サイズを変更しながらコピーを行う場合、塗りに適用したパターンを拡大縮小する場合です。

Illustratorでオブジェクトのサイズ変更する際の参考にして下さい。