※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。


スタンプ風のかすれの作り方
- 1.文字を入力し、枠を描画
- 長方形ツールで四角形の枠を描画し、コーナーウィジェットをドラッグして少し角丸にしています。文字はかすれ感に合うように古風なイメージのフォントを選ぶと引き立つでしょう。文字と枠を選択して、Ctrl+Gでグループ化しておきます。
この例では枠の線幅16pt、フォントサイズは110pt以上にして、A4に収まりやすい大きさで作っています。 - 2.パスをラフで変形させる
- グループ化したオブジェクトを選択して、「効果」➔「パスの変形」➔「ラフ」をクリック、開いたオプション画面で「サイズ:0.5%、詳細50/inch、ポイント:丸く」に設定します。
- 3.マスクを作成
- グループ化したオブジェクトを選択したまま、透明パネルの「マスク作成」ボタンをクリックします。オブジェクトが真っ白になりますが、「マスク作成」ボタンの下にある「クリップ」のチェックを外せば色が戻ります。
白一色の四角いサムネイル画像をクリックして、「不透明マスクの編集モード」に切り替えます。 - 4.かすれ状のブラシでオブジェクトの色を消す
- マスクのサムネイル(白一色の四角)をクリックして編集モードを切り替えてから、ツールバーの「ブラシ」を選択し、「ブラシパネル」➔「ブラシライブラリメニュー」アイコン➔「アート」➔「アート_木炭・鉛筆」を選択します。
「アート_木炭・鉛筆」の中で一番かすれた形状の「チョーク」を選択、アピアランスで「塗り:なし、線:黒、線幅:1pt、不透明度:65~85%程度」に設定します。
この設定でオブジェクトをドラッグすると、かすれ模様に色が消されていきます。ランダムにかすれが入るように不透明度で強弱をつけてブラシを使うのがコツです。
かすれが多くなり過ぎたと感じたら、ダイレクト選択ツールでブラシのパスを選択➔削除していきます。後から修正できるので適当なところで作業を終えたら、透明パネルで左側のサムネイル(オブジェクトが表示されている方)をクリックして編集モードを通常に戻します。 - 5.「効果」の「ブラシストローク」を適用
- 3.までのステップで完了しても、かすれの加工は十分かもしれません。ただ、もう少しリアルにかすれた感じを出したいので、「効果」を使います。
「効果」➔「ブラシストローク」➔「ストローク(スプレー)」をクリックして設定画面を開きます。「ストロークの長さ:5、スプレー半径:2、ストロークの方向:横」に設定して「OK」をクリックします。
- 6.テクスチャ背景に重ねて合成する
- ざらついた質感の粗い布地を表現した背景を作ります。「塗り:#FCE0BF」で四角形を描画し、「効果」➔「テクスチャ」➔「テクスチャライザー」をクリックして設定画面を開き、「テクスチャ:カンバス、拡大・縮小:100%、レリーフ:4、照射方向:右下へ」に設定して「OK」をクリックします。
かすれたスタンプを背景に重ね、古びて褪せた色を表現するため、透明パネルで「描画モード:乗算、不透明度:80%」にして合成します。

作成したスタンプ風のオブジェクトには文字のアウトライン化、アピアランスを分割、分割・拡張を行っていないので、枠線の色や形、文字のフォント・テキスト・色を自由に変えられます。
ハンコ(印鑑・落款)の作り方
ハンコ風のオブジェクトも、ほぼ上記のスタンプ風と同じステップで作成できます。
ハンコ、印鑑、落款には、赤い文字・赤い枠の「朱文」と赤い地に白い文字の「白文」がありますが、「朱文」は上記のスタンプ風と同じ工程で、かすれ加工すればいいだけです。

「白文」も基本は同じ、塗りを赤にした四角形を作り、少し角を丸めてから「効果」➔「パスの変形」➔「ラフ」を適用します。更にマスクを作成➔「アート_木炭・鉛筆」で、かすれ模様を作ります。その上に白の文字を重ねれば完成です。「ブラシストローク」や「スタンプ」などの効果で仕上げるかどうかはお好みで。

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古びた材質のテクスチャと合成すると、レトロっぽい雰囲気が強まります。いろいろなデザインに応用できるので、試してみて下さい。