文字を変形するにはIllustratorのエンベロープ!目を引く文字の変形方法を解説

※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。

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Illustratorには文字を色々に変形させる「エンベロープ」という機能があります。Photoshopのワープと同じ変形ができる上、図形に合わせた形に文字を変形させることも可能です。おしゃれで目を引く文字に簡単に加工できる「エンベロープ」の使い方をこの機会にぜひ習得して下さい。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法1

今回はIllustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法を解説します。

文字のフォント・色・サイズを設定する

文字ツールで文字を打ち込み、文字パネルでフォントやフォントスタイル(ボールドやイタリックなど)、色・サイズを設定します。必要なら字間も調整しましょう。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法2

エンベロープの文字変形【方法1】「ワープで作成」を使った文字の加工

文字ツールで打ち込んだ文字を選択して、「オブジェクト」メニュー➔「エンベロープ」➔「ワープで作成」をクリックします。

「ワープオプション」画面が開いたら、以下の項目を設定します。

  • スタイル:文字加工のスタイルをリストから選択します。デフォルトは「円弧」。
  • カーブ:文字を変形する適用度を%で設定します。デフォルトは「50%」。
  • 水平方向:ここを選択すると、横方向を基準に文字が変形されます。
  • 垂直方向:ここを選択すると、縦方向を基準に文字が変形されます。
  • 水平方向(%):左右の辺が拡大縮小されて台形を描き、文字に遠近感を付けて変形させます。
  • 垂直方向(%):上下の辺が拡大縮小されて台形を描き、文字に遠近感を付けて変形させます。
Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法3
「ワープで作成」では曲げる、引き伸ばす、波打たせる、などの歪み文字が簡単に作れます。

ワープで作成した変形文字一覧とデザイン例

ワープには15種類のスタイルがあります。変形の形状によってまとめた一覧と、変形文字のデザイン例をご紹介します。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法4
変形文字のデザイン例は「文字のアウトライン化」➔「グラデーションを適用」➔「分割・拡張」➔「ワープ 円弧、カーブ:100%、垂直方向:5%」で作成しています。
Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法5
魚にアレンジしたデザイン例は「ワープ 魚形、カーブ:36%、水平方向:-8%」紙は「ワープ 膨張、カーブ:24%」で作成しています。
Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法6
変形文字のデザイン例は「ワープ 旗、カーブ:50%、水平方向:-70%」で作成しています。

エンベロープの文字変形【方法2】「メッシュで作成」を使った文字の加工

文字ツールで打ち込んだ文字を選択して、「オブジェクト」メニュー➔「エンベロープ」➔「メッシュで作成」をクリックします。

「エンベロープメッシュ」画面が開いたら、メッシュの「行数と列数」を文字変形の状況に合わせて増減します。

メッシュが交差した点をダイレクト選択ツールでクリック➔ドラッグして文字の一部を自由に変形させます。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法7

エンベロープの文字変形【方法3】「最前面のオブジェクトで作成」を使った文字の加工

この方法は文字を図形の中に押し込んで、その形に合わせて変形させるイメージです。

あらかじめ、ペンツールや図形作成ツールで任意の図形を作成し、文字ツールで打ち込んだ文字の上に重ねます。図形と文字を両方とも選択して、「オブジェクト」メニュー➔「エンベロープ」➔「最前面のオブジェクトで作成」をクリックします。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法8
●や❤など、ぷっくり系の図形で文字を変形させると比較的うまくいきますが、🔶や★など鋭角的な図形で変形させると、文字が読みにくくなる可能性があります。デザイン性と文字の可読性のバランスを考慮して変形に使う図形を選ぶのがコツです。

文字と変形を編集する方法

エンベロープで変形させた文字は「プロパティ」パネルの「コンテンツを編集」アイコンから編集することが可能です。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法9
文字ツールを使って、文字の書き換え、フォントの置き換え、文字サイズ・文字色の変更などを変形後に行うことができます。

文字に適用された変形自体は「プロパティ」パネルの「エンベロープを編集」アイコンから修正することが可能です。

ワープ変形は「プロパティ」の「クイック操作」➔「ワープオプション」をクリック、メッシュ変形は「メッシュの設定」をクリックします。文字に加えたワープの適用度や、メッシュの網目の細かさを変えることができます。

「最前面のオブジェクトで作成」で適用した図形の形状をダイレクト選択ツールで更に変形させることもできます。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法10

文字の変形を解除する方法

文字に加えた変形を解除するには、「オブジェクト」メニュー➔「エンベロープ」➔「解除」をクリックします。すると、文字と変形図形が分解されるので、図形を削除すれば変形前の文字だけが残ります。

Illustratorの「エンベロープ」を使った文字の変形方法11
ワープ変形した文字は「プロパティ」パネルの「クイック操作」に表示される「ワープオプション」をクリックして開き、数値をすべて「0」にすれば変形を戻せます。また、メッシュ変形した文字も「クイック操作」➔「エンベロープの形状をリセット」ボタンをクリックすることで変形を戻せます。
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変形した文字はタイトルやロゴなど色々なデザインにアレンジできます。アイデアを駆使して、人目を引くおしゃれな変形文字を作成して下さい。