※ Adobe® Illustrator® software (2024)を使って解説しています。

今回はIllustratorで画像の背景を透過させる方法と背景を透過したデータをPNG・PSD・PDF形式で書き出す方法を解説します。
Illustratorの白背景は実は「透明」
IllustratorでAI画像を開くと背景の見た目は白ですが、これは表示だけの仕様で、実際には透明と考えていいと思います。
ただ、作成オブジェクトが白一色だった場合には作業しづらいので、背景の表示を透明化する、または他の単色に置き換えることになります。
Illustratorで画像の背景に透明グリッドを表示させる方法
「透明」を表現する薄いグレーと白の市松格子模様を「透明グリッド」といいます。透明グリッドは以下のどちらかの操作で表示できます。
- メニューバーの「表示」をクリック、プルダウンの「透明グリッドを表示」をクリックする
- キーボードで「Ctrl+Shift+D」を押す

画像の背景に表示した透明グリッドの色を変える方法
「透明グリッド」の格子の色を変えるには、オプションバーの「ドキュメント設定」(または、「ファイル」➔「ドキュメント設定」)をクリックして、設定画面を開きます。
「グリッドカラー」の小窓をクリックして、デフォルトのグレーの格子の明暗や他のカラーのグリッド色を選択します。

「透明グリッド」の格子を構成する2つの色をそれぞれクリックして「色の設定」ダイアログを開き、特定の色を指定することもできます。

Illustratorで背景透過の画像を書き出す前に、不要な透明部分をトリミングしておく
背景が透明になった画像でもアートボードのサイズで書き出されるので、画像周りの不要な透明グリッドを処理して、画像にピッタリ合わせたサイズにトリミングしておきましょう。
- 画像を選択する
- ツールバーの「アートボード」アイコンをダブルクリック
- 「アートボードオプション」が開く
- 「プリセット」横の小窓をクリックして、リストの「選択オブジェクトに合わせる」を選択する
- 「OK」をクリックする
- 選択した画像に合わせて、背景の透明部分がトリミングされる
Illustratorで背景を透過した画像データを書き出す方法
上述したように、背景色が白に見えても、Illustratorの背景は透過されています。透過画像として書き出すのに背景の表示を透明にする必要はありません。
Illustratorで背景を透過した画像を書き出すには、以下の手順で行います。
- メニューバーの「ファイル」をクリック
- プルダウンの「書き出し」➔「書き出し形式」をクリック
- 「書き出し」ダイアログが開いたら、保存場所へアクセス
- ファイル名を入力し、透明をサポートする「書き出し形式」を選択する
- 「書き出し」をクリック
- 選択した「書き出し形式」ごとのオプション画面で設定をして書き出す
背景透過の画像を「PNG」で書き出し
PNGは透明をサポートする画像形式で、汎用性が高く、ほとんどのアプリで閲覧や編集が可能です。背景を透過した画像を保存する形式では一般的に「PNG」が選ばれます。
オプションでは書き出しの解像度を選択します。Webで使うなら72ppi、印刷用なら300ppiを選択し、背景色が「透明」になっていることを確認します。
背景透過の画像を「PSD」で書き出し
PSDはPhotoshopのデータ形式です。イラレのAIデータを元に、フォトショで加工する時にはPSD形式で書き出します。
オプションでは書き出しの解像度を設定し、AIのレイヤー構成をそのまま引き継ぐためには「レイヤーを保持」にチェックを入れます。
背景透過の画像を「PDF」で書き出し
PDFはデータの受け渡しがスムーズにできる電子文書です。
書き出しオプションでプリセットを「Illustrator 初期設定」にして「Illustratorの編集機能を保持」にチェックを入れると、PDFで書き出し後にイラレで編集することが可能になります。
※ Adobe Illustrator 2024の画像で解説しています。 ※「トリミング」のサンプルに使用した写真はぱくたそのフリー素材です。(サイト掲載の写真・画像について) CGDOOR イラレ初心者でも、簡単な操作で[…]

アートボードの背景透過はオブジェクトを透過させるのとは違い、透明を表示してみせるだけであることが分かっていただけたと思います。透明グリッドの表示で作業がやりやすくなると感じたら、積極的に活用していきましょう。