※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。

表組みのベースを簡単に作成する方法

ここでは例として、縦(行数)を均等に6分割、横(列数)を項目別に不揃いの間隔で4分割した表組みを作成します。
ツールバーの「長方形グリッドツール」を選択し、アートボード上の任意の場所をクリックすると、オプションのダイアログボックスが開きます。以下のように設定して「OK」をクリックします。
- サイズ
- 幅 :600px 表全体の横サイズを指定します。実寸で指定したい場合は「環境設定」の単位をcmやmmに変えて下さい。
- 高さ :250px 表全体の縦サイズを指定します。
- 水平方向の分割
- 線数 :5 表の縦方向を仕切る横線の数です。6行にするなら、-1で「5」と入力します。
- 分布 :0% 行は均等に分割したいので、「0%」のままにします。
- 垂直方向の分割
- 線数 :3 表の横方向を仕切る縦線の数です。4列にするなら、-1で「3」と入力します。
- 分布 :-100% 列は左側は狭く、右側を広く分割したいので、スライダーを左に動かして負数を入力します。
- 「外枠に長方形を使用」と「グリッドに塗りを適用」にチェックを入れます。
ダイアログを閉じると、左側が狭く、右側が広く分割された表組みが作成されます。ダイレクト選択ツールで個々の縦線を選択できるので、列の項目の幅を調整します。
この方法は簡単な表を作成するのに便利ですが、表を作成した後にデータ行の追加が容易にできないのが難点なので、次の「グリッドに分割」を使った方法と連携させることにします。
表組みの編集が可能な表を作成する方法
上記で作成した表組みの外枠と罫線を次の表に組み込み、表組み全体はガイドに活用します。
- ダイレクト選択ツールで上記で作った表の罫線の内側をクリックし、外枠の四角形を選択。
- 「コピー(Ctrl+C)」➔「前面にペースト(Ctrl+F)」します。
- 新規レイヤーを作成し、ペーストした四角形を移動させます。
- ダイレクト選択ツールで内側の縦線をすべて選択し、「コピー(Ctrl+C)」➔「前面にペースト(Ctrl+F)」します。
- 新規レイヤーを上記で作った四角形の上に作成し、ペーストした縦線を移動させます。
- 元の表全体を選択し、塗りと線の色を無しにします。
- 「表示」メニュー➔「ガイド」➔「ガイドを作成」をクリックして表をガイドに変換します。

「グリッドに分割」は旧バージョンのIllustratorでは「段組設定」という名前の機能でした。
別レイヤーに移動させた四角形を選択、「オブジェクト」メニュー➔「パス」➔「グリッドに分割」をクリックします。ダイアログが開くので、以下のように設定します。
- 【行】段数:6、間隔:0
- 【列】段数:1、間隔:0
- 段の幅と高さ、全体の合計は自動で割り出されます。
- 「ガイドを追加」はチェックしません。
ダイアログを閉じると、6行1列の表組みが作成されます。ここで列をなぜ4分割しないのか疑問を持つと思います。その理由は「グリッドに分割」は等間隔の枠分割が前提で、見出しや項目別に列幅を不均等にする設定ができないからです。作成した後にパスを移動させれば可能ですが、後で行を追加する時に元の均等な列幅に戻ってしまいます。そこで、上記で別レイヤーに移動させた罫線を利用します。(※分かりやすくするために罫線の色は赤にしています)

表の行を追加する
表を選択して、再度「オブジェクト」メニュー➔「パス」➔「グリッドに分割」からダイアログを開き、行の段数を入力し直します。
この例では表全体のサイズを変えずに6行を10行に増やしました。計算するのも面倒なので、非表示にしておいたガイドを表示させます。バウンディングボックスを下へ引いてガイドに合わせて縦方向に拡大します。
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「パス」➔「グリッドに分割」で表を作成するメリットは、作成した表に行を追加(または削除)することが容易だという点です。資料に組み込む表として単発で作成するなら「長方形グリッドツールを使う方法」で作るのがおすすめですが、後で行を追加する可能性があるなら「グリッドに分割を使う方法」との連携を試して下さい。以下はIllustratorで作成した表のデザイン例です。参考にして下さい。