※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。

文字を囲み枠でデザインする際、文字と図形を別々に作って位置を合わせるのではなく、文字と囲み枠が結合したオブジェクトを作る方法がIllustratorにはあります。
囲み枠の土台の色や枠の線の形状を自在に変えられるだけでなく、文字の追加入力や変形に合わせて枠が伸縮し、移動もスムーズです。
今回は、Illustratorで文字に合わせて変形する囲み枠・囲み罫を作る方法を解説します。
文字と結合した長方形・角丸長方形・楕円形の囲み枠を作る方法
- 文字ツールで文字を入力する
- 「塗り」を無しにする
- アピアランスパネル(「ウィンドウ」メニュー➔「アピアランス」)の下部にある四角いアイコン「新規塗りを追加」をクリック
- 追加された文字の「塗り」に色を設定
- 文字の「塗り」の下に更に「新規塗りを追加」
- 追加した「塗り」に囲み枠の色を設定
- 下にある「塗り」を選択した状態で、パネルの下部にある「fx.(新規効果を追加)」をクリック
- メニューの「形状に変換」➔「長方形・角丸長方形・楕円形」の一つを選択する
- 「形状オプション」で設定して「OK」で閉じる
- 文字に合わせて図形ができる

文字の外側に囲み罫を作る方法
文字の外側を囲む枠線の作り方も、上記の囲み枠の作り方とほぼ同じです。囲み図形用の「新規塗りを追加」を「新規線を追加」にするだけです。

囲み枠・囲み罫のオプションの指定の仕方
「形状に変換」で「長方形・角丸長方形・楕円形」のどれかを選択すると、「形状オプション」が開きます。
以下はそれぞれの形状とオプション設定です。この中でちょっと分かりにくいのが「サイズ」の選択肢です。
- 値の指定 : 文字の中心から外側に向けた距離になります。デフォルトでは幅に追加する数値と高さに追加する数値が同値なので、文字の長さより小さいサイズでプレビューされます。囲みの大きさを文字サイズぎりぎりにしたい場合などはここを選択します。
- 値の追加 : バウンディングボックスの枠線から外側に追加される距離になります。文字と図形がバランスよく配置され、数値を指定し直すのも簡単なので、通常のデザインではこちらを選択します。幅・高さの数値を負数にすると、バウンディングボックスの枠線より内側に囲み枠が作成されます。

文字と囲み枠・囲み罫のアレンジ方法
文字と囲み枠はそれぞれ別個に変形と効果の適用ができ、様々なデザインにアレンジできます。
テキストを追加したり、入力し直したりすると、それに合わせて囲み枠は伸縮します。選択ツールでオブジェクト全体を選択、アピアランスパネルで新規効果を追加してワープで変形させると、文字のカーブに合わせて囲み枠も拡大縮小されます。
アピアランスパネルで新規に追加して「形状の変換」を適用した「塗り」または「線」を選択して、新規効果を追加し、囲みの図形だけを変形させることができます。

囲み枠・囲み罫の塗りに適用した効果は非破壊編集はできません。修正するためには効果を付け直す必要があります。

注意点
- 文字の塗りを選択して「新規効果」➔「ワープ」などで変形させると、囲み枠の図形は伸縮しません。選択ツールでオブジェクト全体を選択して変形させましょう。
- 上記とは逆に、選択ツールでオブジェクト全体を選択してドロップシャドウや光彩などのスタイライズ効果を適用した場合は、文字ではなく囲み枠に効果が付きます。文字にドロップシャドウや光彩を付けたい時は文字の塗りを選択して新規効果を付けます。
- 囲み枠・囲み罫の塗りにだけワープをかけると、文字との位置が大きくずれることがあります。位置を修正するためには文字の「塗り」、または囲みの「塗り」や「線」を選択して新規効果を追加し、「パスの変形」➔「変形」で「移動」の数値を変更します。
- 文字と結合した囲み枠・囲み罫を入稿データに組み入れる場合、文字のアウトライン化をする前に「オブジェクト」メニュー➔「アピアランスを分割」し、文字と図形を別のオブジェクトに分解した上で文字をアウトライン化します。これは、デザインの崩れを回避するためです。
合せて読みたい
※ Adobe Illustrator 2025の画像で解説しています。 CGDOOR IllustratorにもPhotoshopのレイヤー効果にあるような「ドロップシャドウ」機能があり、リアルな影を付けることができます。[…]
こちらもおすすめ
※ Adobe Illustrator 2024の画像で解説しています。 CGDOOR Illustratorで文字をアーチ状にカーブさせるには、以下の2つの方法があります。 「効果」➔「ワープ」で「円弧」または「ア[…]

Illustratorで文字と結合した囲み枠・囲み罫を作る方法をご紹介しました。
下図はアピアランスで作成した囲み枠・囲み罫のデザイン例です。工夫次第でもっとスタイリッシュなオブジェクトが作れると思います。